2019/01/26 04:00

酸素がどのようにして活性酸素に代わるのでしょうか。

簡単に説明しますと、酸素(O2)は分子として存在していますので、2つの酸素原子が1個の電子をペアにして結合しております。しかしこの酸素分子は一見安定しているように見えますが、まだ、1個ずつペアを組めない電子を持っているのです。したがって、酸素分子というのは非常に不安定な状態であります。

この不安定な酸素分子が他の分子や原子に出会うと、安定するためにペアの電子であろうとなかろうとその相手から電子を奪う反応をします。つまり、相手の分子からすると「酸素分子に電子を奪われた」ことになり、その分子は「酸化された」状態になります。この流れが「酸化」と言います。

そして、この「他の物質と過激に反応する物質」をフリーラジカルと言います。

活性酸素もこのフリーラジカルの一種です。

一方、電子を奪われた分子は自分がペアでない電子(不対電子)を持つことで不安定となり、別の分子から電子を奪う反応を起こします。こうして次々と反応が起き、酸化が進むのです。


活性酸素の4つのタイプ

酸素分子は状態が不安定なので、ほかの物質を常に狙っています。

電子の奪い方が4つあり、その方法別に4種類の活性酸素となります。

1、スーパーオキサイドラジカル

スーパーオキサイドラジカルは体内では、酸素分子から最初に生成される活性酸素で、大量に生成されます。

これは、細胞内でミトコンドリア酸素からエネルギーをつくるものですから、私たちが生きていく上で、このスーパーオキサイドラジカルの発生は避けられません。しかし、このラジカルは、白血球などの免疫をつかさどる細胞が、体内に侵入してきた細菌などを殺す時にも大量に発生します。

2、過酸化水素

過酸化水素はスーパーオキシドラジカルが水の分子と反応して生成され、ラジカル(不安定)ではありませんが、わずかなきっかけで電子を放出するので「フリーラジカル」の仲間とされています。

この過酸化水素は「オキシドール」とも呼ばれ、消毒剤としても有名です。この液を傷口にかけると白い泡が出ますが、これは過酸化水素が幹部の雑菌をその毒性で酸化し、殺菌している証拠なのです。

3、一重項酸素

一重項酸素?は、放射線(X線)や紫外線に被曝すると体内で大量に発生し、皮膚がんをはじめとする様々ながんを引き起こす非常に恐ろしい活性酸素です。女性の肌にも大敵となります。一重項酸素は「ラジカル」ではありませんが、強力な酸化のある活性酸素として働きます。

4、ハイドロキシリルラジカル

ハイドロキシルラジカルは活性酸素の生成過程でできる最後の活性酸素で、酸化力?が最も強い活性酸素で、反応性も強力です。

生活習慣病やがんを引き起こし、老化を早める最も恐ろしい活性酸素です。